4.果樹の機能ゲノミクス


1)果樹の形質転換(遺伝子組み換え)の方法
一般に木本植物の形質転換は効率が低く、遺伝子組み換え体の獲得には困難が伴います。また、組換え体の維持には空間的な制約もあります。しかし、遺伝子機能を明らかにするには、目的遺伝子の導入により遺伝子そのものの働きを確かめることが重要となってきます。このような研究は好奇心に加えて「根気」が必要です。
  リンゴの形質転換の例
1)無菌的に組織培養している葉を細かく刻み、目的遺伝子を有するアグロバクテリウムに感染させる。
2)選択するための抗生物質入り再分化培地にのせて、3-5ヶ月ほど培養する。
3)カルスが形成する。
4)再分化してシュートが発生する。
5)シュートを継代し、さらに選抜。
6)順化して鉢上げする。
  感染5ヶ月後の再分化シュート

組織培養体はこのように美しいものです。



参考文献:

N. Kotoda*, H. Hayashi, M. Suzuki, M. Igarashi, Y. Hatsuyama, S. Kidou, T. Igasaki, M. Nishiguchi, K. Yano, T. Shimizu, S. Takahashi, H. Iwanami, S. Moriya, and K. Abe. Molecular characterization of FLOWERING LOCUS T-like genes of apple (Malus xdomestica Borkh.) Plant and Cell Physiology 51(4): 561-575 (2010)
N. Kotoda*, H. Iwanami, S. Takahashi, and K. Abe. Antisense expression of MdTFL1, a TFL1-like gene of apple, reduces the juvenile phase in apple. J. Amer. Soc. Hort. Sci. 131(1): 74-81(2006)